三条先供組合
第一番と呼ばれる行列の先頭集団で、先箱(さきばこ)や長柄(ながえ)、槍を持って行列を先導するのが先供(奴)です。大きな箱を担いだ先箱は、大名行列の先頭に立ち、行列の巡行ペースを決める役割を担います。この先箱は非常に重く、慣れていない人が担(かつ)ぐと後ろにひっくり返りそうになるほどの重さです。
長柄は「長柄の傘」の略で、一人一本手にした傘を使ってパフォーマンスを披露しながら進み、観客を沸かせます。長柄の技は三種類あり、観客の反応などを伺いながら、それに合わせて技を披露していきます。
槍は二人一組で槍を投げ渡したりする演技を魅せる役割で、大羽(おおは)熊(ぐま)、投(なげ)鞘(さや)槍、天目(てんもく)槍、台(だい)傘(がさ)、立(たて)笠(がさ)、手(て)杵(ぎね)傘(がさ)の6種類の槍があります。
先供は大名行列の先頭を行く役割であるため、出発時には拍子木を打って巡行のはじまりを告げます。これは「気(木)を入れる」という意味を持ちます。また、邪気を払う「悪魔切り」と呼ばれる儀式も行い、道中の安全を確保します。
巡行の開始で重要な役割を担う先供ですが、その終わりにも重要な役割があります。祭りの最終局番、お宮に入ろうとする御神輿を押し返すのです。「まだ祭を終わらせたくない!」という思いで何度も押し合いをする姿からは、祭りを楽しむ熱気が伝わってきます。